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番外編コウジさんの後輩

「ヤベ、警察だ」 「誰か通報しやがった」 蜘蛛の子を散らすように男たちが駐車場から慌てて逃げ出した。足がつかないようにするためか、それとも別の意図があるのか少し離れた路肩に車を駐車させていたみたいだけど、その車がいつの間にかいなくなっていてかなり動揺していた。携帯を耳にあてながらまわりをキョロキョロと見回していた。 「どいつもこいつも威勢だけは一人前なのに使えないグズばっかだな。もうちょいましなヤロウはいないのか」 おじいちゃんがぶつぶつとなにやら呟いていた。 「どうせしおも使い捨ての駒なんだろ?」 「過足さん、あとを追いかけなくていいのか?知り合いなんだろ?」 「もう知り合いでもなんでもねぇ。昔のことは忘れた。壱東さん、蜂谷さんたちがコンビニから出てきたらすぐにうちさ帰れ。あのじいさん、ただ者じゃねぇ」 「蜂谷さんからも注意しろって連絡が来た」 「さすが蜂谷さんだ。仕事が早いな」 過足さんがコンビニエンスストアへ戻ると、ちょうど会計を済ませためぐみちゃんたちが出てきた。 「過足、あとで話しがある」 「そだおっかねぇ顔すんな。言われなくても分かってる」 蜂谷さんにどんなに睨まれてもちょっとやそっとでは動じない過足さん。ヘラりと笑っていた。

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