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番外編コウジさんの後輩

「ねぇ、はちやさん」 後部座席にめぐみちゃんと一緒に乗り込んだ優輝くんがポツリと呟いた。 「どうした?」 「ううん、なんでもない」 首を横に振る優輝くん。 「言いたいことがあるならハッキリ言っていいんだそ。俺もハチも怒らない」 「かなくんが怖いって言ってたのは目なんだ。はちやさん、あのね目だけでひとを殺せるの?」 「目で殺すという言葉は確かにあるが意味が違う。他人を平気で傷付けられるような、そんな冷たい目をしていたということじゃないかな。優輝もポスターを見たんだろ?怖かっただろう」 「僕は……」 そこで言葉を止めると少し間を置いてから、 「かなくんは怖いって泣いていたけど、僕にはなつかしかった。僕、あのおじちゃんに会ったことがあるかも」 まさか懐かしいという言葉が優輝くんの口から飛び出すとは思わなかった蜂谷さんたち。怯えて泣きじゃくる奏音くんの姿をすぐ間近で見ていた壱東さんが一番驚いていたかも知れない。 「イチ、前見て運転しろ。事故ったらもともこうもない」 「は、はい」ハンドルをぎゅっと握る壱東さん。 「僕を見て、ガキの頃の父親にそっくりだ、そう言われたようなそんな気がする。よくは覚えていないんだけど、僕、パパに似てるってあまり言われたことがないから、だからかな、覚えていたのは」 優輝くんが思い出すようにポツリとポツリと話してくれた。

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