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番外編コウジさんの後輩
「しおも車田と同じであちこちのグループを転々として最後に流れ着いたのが関東竜城会だった。似たような境遇だからか二人はとくに仲が良かった。一緒にいることが多かった」
コウジさんが苦いと顔をしかめながらコーヒーを一口飲んだ。
「俺が車田をサツに売ったと根も葉もないうわさ話を信じて、俺を逆恨みをしてもなんらおかしいことではない。殺したいくらい憎んでいるだろうよ」
「コウジ兄貴は悪くねぇ。車田は自首したんだ。誰だ嘘を流しているのは」
過足さんがむっとした表情を浮かべた。
「まぁそう怒るな」
コウジさんが過足さんの頭をぽんぽんと優しく撫でた。
「ガキ扱いすんでねぇ」
耳まで真っ赤にしてコウジさんの手を慌てて払いのける過足さん。
「しおも車田もお前の頭を撫でていいこ、いいこ、よしよしってよくからかっていたよな。はたから見たら恋人同士がイチャイチャしているようにしか見えなくて。てっきりそういう関係なのかと思っていた。俺は三人がそれで幸せならとあえて口には出さなかった」
「へ?」
一瞬ポカーンとする過足さん。
「違うのか?」
「えっと……その……」
否定も肯定もせずしどろもどろになる過足さん。ゆでたこみたいに顔が真っ赤だ。
「惚れた腫れたは当座の内とよく言うだろ。過足、噂をすればなんとやらだぞ」
何かに気付いた彼が過足さんの肩を軽く叩いた。
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