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番外編コウジさんの後輩

しおさんにどんなに拒絶されようが過足さんはそばから離れようとはせず。しおさんのほうが根負けしてまった。 「一服していきっせ」 過足さんのおじいちゃんが額の汗をタオルで拭きながら保冷ボックスを持ってきてくれた。腰の曲がったおばちゃんがお茶菓子を持ってきてくれた。 「しおが退院するまで、野菜の収穫や田んぼの草刈りくらいは手伝えると思う。何でも言ってくれ」 「ヤス兄貴は何でもできるんですね。今度草刈り機の使い方を教えてください」 目をキラキラと輝かせ憧れの眼差しを向けられて、 「オヤジほどじゃないよ」 ヤスさんが照れ笑いしながら頭を掻いた。 「厄介事を自ら引き受けるとはな」 腕を前で組む度会さん。険しい表情を浮かべていた。 「何かやむにやまれない理由でもあったのかも知れませんよ。例えば譲治みたく妹を人質に取られているとか」 「ないとは言い切れないな。よし分かった。しおのことを調べてみるよ」 「お願いします」 彼が軽く頭を下げた。 「新入りにとって俺はかなり怖い雷親父だからな。その分卯月はなるべく優しく接してやれ」 「渡会さんに損な役回りさせてしまいすみません」 「そんなことねぇよ。こら、お前ら!」 渡会さんの怒鳴り声が庭に響いた。ギクリとして振り返る新入りの若い衆たち。 「掃き掃除のひとつも出来ねぇのか」 口ではガミガミと口やかましく注意しても、なんだかんだいいながらごのご時世にも関わらずヤクザの世界に飛び込んできた新入りがかわいくて仕方がない様子の度会さん。彼らのところに移動すると手取り足取りやり方を教えはじめた。

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