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番外編コウジさんの後輩

「オヤジ」 鞠家さんが背後からぬっと姿を現した。 「ヤスから伝言です。過足の祖父母がしおの面倒をみてくれるそうです」 「楽な方法で金を稼いできたしおには田舎暮らしは苦痛だろうよ。三日と持たず逃げ出すだろう」 「でしょうね。でも過足が逃がしませんよ」 「しおのことをいつまでも引きずって、自然消滅したのにもかかわらず何年も片思いをしていたくらいだからな」 録画していた幼児番組を遥香たちと一緒にノリノリで見ていた太惺と心望。気づけばいつの間にかいなくなっていた。 「ねぇ遥香、太惺と心望を知らない?」 「ハルちゃんおトイレからもどってきたらいなかったよ」 「そう。どこに行ったんだろうね」 キョロキョロとあちこち見回していたら、 「お風呂かも知れないよ。コウジさんがシャワーを浴びるっていたから。二人に見つかったかも」 二人が散らかしたティッシュペーパーをめぐみちゃんが片付けはじめた。 「いたずらされるからティッシュの箱は高いところにおいてって言ってるのに誰も聞かないんだから。もぅ、困っちゃう。片付けるの大変なんだからね」 柚さんそっくりの言い方に遠巻きでこっちを見ていた光希さんがくすりと笑っていた。 「ママ、タオル」 一太が全身びしょびしょに濡れた心望を抱っこして連れてきた。 「おふろえらいことになってるよ」

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