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番外編コウジさんの後輩

扇風機の音と、規則正しい寝息の音と、心地よくリズムを刻む心臓の音。なぜか寝返りも出来ない息苦しさにふと目を覚ますと、彼の腕にすっぽりと抱き締められて寝ていたから驚いて一瞬で目が覚めてしまった。 「まだ寝てていいぞ。小学生男子三人組以外は全員昼寝中だ」 おでこにちゅっと軽くキスをされた。 「青空と譲治と水鉄砲で遊んで、自転車に乗る練習をして、おやつに過足からもらったとうもろこしを食べていた。子どもは暑さに負けずみんな元気だな。陽葵も熟睡しているからもう少し寝てていいぞ」 「ありがとう遥琉さん」 「俺はなにもしていないよ」 くすりと笑う声が頭の上から聞こえてきた。 脇の下に手を差し入れて彼にぎゅっとしがみつくと、 「これでも我慢をしているんだ。頼むから煽らないでくれ」 困ったように苦笑いをされた。 七階の病棟にトイレがなく過足さんがトイレを探しに一階に行った隙に病院から逃げ出そうとしたしおさん。でもすぐに病院のスタッフに見付かり病室に連れ戻された。なじょすっぺ。過足さんはヤスさんにすぐに連絡をいれた。 「どうすっかな」 はぁ~~とため息をつく彼。 「問題が山積だ。参ったな」 しまいには頭を抱えてしまった。 「卯月、そんなに深く考えるな」 度会さんが広間に入ってきた。じろりと一瞥され、若い衆が一斉に背筋をぴんと伸ばし姿勢をただした。それを見た度会さんが満足そうに笑んだ。

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