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番外編 はなももの里
それから数時間後。
「その髑髏の入れ墨……」
「なんだ覚えていたのか?さっきすれ違っただけなのに。すげぇーな、お前」
「馬鹿にしているのか」
起き上がろうとして呻き声をあげて顔をしかめるしおさん。
「看護師の言うことを聞かないから傷口が開いたんだろ?自業自得だ。大人しく寝ているんだな」
青空さんが怪我をしているしおさんの肩をつんつんと愉しそうに笑いながら指でつついた。
「てめぇーふざけんな!」
「怒る元気があるなら心配ないな。そのくらいの怪我で済んだのも命拾い出来たのもオヤジとお前が大嫌いな元デカたちのお陰だ。感謝しろ」
「五月蠅い。助けろなんて頼んだ覚えはない。それよりもコウジを連れてこい。お前らみたいな雑魚に用はない」
枕元に置いてあった350ミリリットルのペットボトルを青空さんに投げつけた。
「雑魚だと?」
窓に寄り掛かり外をそれとなく監視していた佐治さんが声を荒げた。
「青空もミツオも菱沼組の屋台骨を支える前途有望な幹部候補だ。楽して人様から金を騙し取ることしか能がないお前と一緒にしてもらっては困る」
「よそ者が幹部なんかなれっこねえだろ。笑わせるな」
「なんでそのことを知っているんだ?」
佐治さんに言われハッとして口を押えるしおさん。
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