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番外編 おかえり

「今日も朝から随分とまぁ賑やかだな」 ぬるめのカフェオレを口に運ぶ彼。 「だって今日が町探検だなんて全然聞いていないもの」 「季節外れのインフルエンザが小学校で流行して延期になっていた一年生の祖父母交流会と二年生の町探検を夏休み前に行うことになったって言わなかったか?」 「聞いてません」 光希さんが頬っぺたをこれでもかと膨らませて彼を睨み付けた。 「今から行けば十分間に合う。暑いから帽子と飲み物を持っていけ。壱東が待っている」 「K市っていろんな行事があるんだね」 「この地区は昔からの兼業農家が多くて祖父母と同居している児童も多い。うちも親父と茨木さんが来ることになっている」 「上総さんも茨木さんも一太のことになると人が変わるもんね」 「あぁ。だから頭が痛い」 彼がはぁ~~っとため息をついた。 「姐さん、行きましょうか?」 横断中と書かれた黄色い旗を持ちコウジさんが顔を出した。いつもビシッと決めているかなり派手な柄シャツを封印し、上下白系の爽やかな夏コーデだ。茶髪もいつの間にか黒髪に戻っていた。ピアスも指輪も外していた。 「一瞬誰かと思ったぞ」 「奏音坊ちゃん、優輝坊ちゃん、めぐみお嬢ちゃんの同級生や保護者にくれぐれも失礼のないようにとオヤジから通達がありましたので。変ですかね?」 「いや。変じゃない」彼が首を横に振りさっと携帯を取り出すとりょうお兄ちゃんに見せる為か写真を何枚か撮影していた。

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