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番外編 おかえり
彼より一足先に寝室に戻り布団を敷いていたら、
「ねぇ、ママ。じぃじたち泊まっていくの?」
一太がひょっこりと顔を出した。浮かない顔をしていて元気がない。
「度会さんとたくさんお話しがしたいみたいよ」
「ふぅ~ん、そうなんだ」
「一太、じぃじたちと一緒に寝たいなら広間に行ってきたら?今夜はそこでみんなで布団を敷いて寝るって話しをしていたから」
「どうせたいくんとここちゃん、じぃじたちと一緒に寝るんでしょ?」
むすっとして頬っぺたを膨らませる一太。
「今は一緒にいるけど、そのうちパパがここに連れてくるよ」
じぃじたちに甘えたくてもお兄ちゃんだからと強がって我慢している一太。たまにしか会えないんだもの。
「おもいっきり甘えておいで」
「分かった。じゃあ、行ってくるね」
ぶんぶんと両手を振り一太が笑顔で広間に走っていった。
「良かった元気になって」
一人言をボソリと呟くと、
「そうですね」
橘さんの声が返ってきたから心臓が止まるんじゃないかそのくらい驚いた。
「そういえば上総さん、変わるきっかけを作ってくれた未知さんと一太くんには感謝してもしきれない、そんなことを話していましたよ」
「それは僕の台詞です」
慌てて首を横に振った。
「上総さん、今日自分が孫バカだということにやっと気付いたみたいですよ。孫は子より何倍も可愛いと、茨木さんと惣一郎さんに呆れられながらもカメラ片手に一人で騒いでいたみたいです」
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