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番外編 おかえり
「遥香くらいの年に青空はまったく知らない男たちによって母親と引き裂かれて大陸に連れ去られた。母一人子一人の平穏無事な日常を奪われ、言葉も通じない、知っている人が誰一人いない過酷な環境に放り投げられた。生きていくためには男たちの言うことを聞いて何でもするしかなかった。俺は男だから、女じゃなかったからまだ良かったのかもしれない。青空の言っていたことを思い出すたびやるせなくなるんだ」
「だから誰一人欠けることなく子どもたちを全員守るとみんなに約束したんだよね。今も海翔くんがどこかで生きていると信じているから手を尽くして探しているんでしょ?」
「あぁ。俺には困ったときに助けてくれる仲間がいるから本当に心強い。かわいい弟分たちも大勢いるしな」
「皆さん遥琉LOVEですものね。久し振りに顔を合わせると決まってはじまるのが、誰が遥琉の隣に座るかの争奪戦です。本当に仲が良くて羨ましいです。理解ある奥さまで良かったですね」
橘さんがぼそっと呟いた。
「だからそれを言うなっての。当たっているからなにも言い返すことが出来ないだよ」
彼が苦笑いをしながら遥香を起こさないように敷布団の上にそっと寝かしつけてくれた。
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