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番外編 おかえり
「ねえさんお客さんです」
彼が子どもたちを車で小学校に送って行ってすぐに蜂谷さんが僕を呼びにきた。
「お祖父ちゃんやお義父さんたちじゃなくて僕にですか?」
「はい。そうです。オヤジの代わりにねえさんが会って下さい」
どうしよう。一抹の不安が脳裏を過った。
「未知に危害を加えるような人を蜂谷が通す訳ないよ。そうでしょ?蜂谷」
一緒にいた光希さんが蜂谷さんを問いただすと、背筋をぴんと伸ばし「はい」と即答した。
「もしかして寺嶋さん夫婦?でもそんな訳ないか。桃の収穫で忙しいはずだもの。それに遠いし、わざわざ来ない。あ、でも……」
テレビ電話でなく青空さんに実際に会いたいって、この手で抱き締めたいって涙を流してたと彼が話していたことをふと思い出した。二人は青空さんにとても会いたがっていた。
「その肝心の青空はオヤジと一緒に出掛けてしまったがな。前もって連絡を寄越してくれればいいんだが」
「突然会いに来て青空の驚いた顔を見たかったんだと思う。これはサプライズだもの。だからこそ内緒にしたかったんだと思う。楽しくないでしょうよ」
光希さんがクスリと笑った。
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