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番外編 おかえり

「根岸からだ。鑑定の結果が出た」 「見なくても分かる。俺、なんで空ばかり見てたのか、やっとその理由が分かった。俺の名前が空だからだ。名前を奪われスカルと呼ばれ、それでも俺、忘れたくなかった。名前も思い出も、大切な人たちがいるってことを。なのに俺は薄情だ。なにもかも全部忘れたんだから」 「薄情じゃない。また一からはじめればいいんだよ。二人に会う前に諦めてどうすんだ?人生まだまだこれからだろ?」 彼が明るい声で青空さんを励ました。 「オヤジの言う通りだ。それに俺、ねえさんに拾ってもらった恩をまだ返していない」 「僕は何も」 突然話しを振られ、慌てて首を横に振った。 「スカルのままだったらきっとまだ人を殺していた。でも秦青空になったから俺は立ち直れたし、じいちゃんばあちゃんにも会えたんだ。ねえさんありがとう。嬉しい。名前がまたひとつ増えた。俺は幸せ者だ。ここに尊がいてくれたら一緒に喜んでくれたかな?」 「当たり前だ。自分が選んだ人を信じてやれ」 良かった。ホッとして胸を撫で下ろして。青空さんが大きく頷いた。 「未知、遼さんから電話」 部屋に戻るなり光希さんから携帯を渡された。 「褒めてもらいたいみたいだからうんと褒めてあげて」 意味がよく分からず首を傾げながら携帯を耳にあてた。

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