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番外編 おかえり
「九鬼千夏さんが十五年前のことを証言したんだろ?自分を浚った男たちがめんげえわらしを三人連れてきた。よく見たらひとりは女の子ではなく男の子だったって。もしかしたらその子が儂らの孫じゃないかって」
「寺嶋さん、失礼ですがその話しはどこから聞いたんですか?」
彼の顔色が変わった。
「桃を買いに来たお客さんからだ。はじめて来たのになんで孫が行方不明になっているのを知っているのか正直言って気味が悪かった。知り合いの紹介だからどうしても断れなかった」
「そのほかに何か言ってませんでしたか?」
「えっと、なんだっけな。卯月さんに会ったら言わないといけないことがあったんだ。年のせいかどうも最近物忘れがひどくて。あやまったな」
寺嶋さんが苦笑いを浮かべながらくしゃくしゃと頭を掻いた。
「送り先が自宅ではなく運送会社の営業所だったから覚えていたのかも知れん」
「どこの運送会社の営業所だったんですか?」
彼の問いかけに大手の運送会社の名前と都内の地名を出す寺嶋さん。
「山田学という名前に心当たりはありませんか?」
胡座をかいて座り新聞に目を通していたお義父さんに声を掛ける彼。
「山田学!?さぁな。茨木と惣一郎に聞いてみるか」
「お願いします」
「山田学がどうしたんだ?」
「公の機関が公表していないことを知っていた。それにあたかも青空のことをすべて知っているようだった」
「もしかしたら公安のデカじゃないか?」
お祖父ちゃんが居間に入ってきた。
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