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番外編 おかえり
「すみません」
「いいんだ。気にすんな」
「久し振りに会ったんだ。誰だこのおっさんってな。未来の気持ちもよく分かる」
ねぇ、パパ行ってもいい?晴くんが信孝さんの顔を見上げた。
「あぁ、いいよ」
晴くんが行きたかったところはお祖父ちゃんの膝の上だった。晴ねじぃじぃに会ったかったんだよ、あとね今日ね幼稚園でね、話したいことがたくさんあるみたいで嬉しそうに話し掛けていた。
「晴、くれぐれも失礼のないようにな」
お祖父ちゃんもお義父さんも雲の上の存在だもの。信孝さんはハラハラドキドキ。生きた心地がしなかったと思う。
「前も言ったが隠居したじい様たちにいちいち気を遣うことはない。俺も嬉しいんだ、晴と未来がじぃじぃって来てくれるのがな」
「はれね、じぃじぃがだいすき」
「そうか。ありがとうな」
お祖父ちゃんが笑顔で晴くんの頭を撫でた。その様子を羨ましそうに指を咥えてじっと見ていた未来くん。
「未来もおいで」
お祖父ちゃんが手招きすると、にこっと笑ってお祖父ちゃんのところに駆けて行った。
「人見知りがなかなか直らなくて」
「いいんだよ、それが未来の個性だろ?変なヤロウに絡まれなくて済む。そう考えればいいんだ」
空いていた片方の膝の上にちょこんと座る未来くん。
「あのね、あのね。えっと……なんだっけ?わすれちゃった」
えへへと照れ笑いをしながら頭を掻いた。
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