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番外編 おかえり
「ばあ様は何してんだか」
気を揉んでソワソワし、さっきから行ったり来たりしている寺嶋さん。
「紫さんと和江さんと話しが盛り上がっているんだろう。夜は長い。気を揉まずに待とう」
「それはそうだが……」
ぐぐ~~っと青空さんのお腹が派手に鳴った。
「変だな。飯を食ったばかりなのにもう腹が減ったのか」
「元気な証拠だ。にしても卯月さんは子どもが多いな。何人いるんべ。賑やかでいいな」
「毎日が運動会みたいなものだ。俺のオヤジはうちの子よその子関係なく面倒をみている」
「じゃあ、つまり……」
「そうだ。説明するのが難しい。ハチに聞いてくれ」
「そうか。卯月さんは違うってみんな言ってる。悪く言うひとはいねぇ」
「そりゃあそうだ。俺のオヤジだと胸を張って言える。憧れの人だ。人として尊敬出来る。生き方もカッコいいし、惚れ惚れする」
はじめはなんとなくお互い気を遣って。どこかぎこちなくて余所余所しかった二人。
二人きりにしたらいいんじゃい?積もる話しもあるでしょうから。紫さんがそう言って寺嶋さんの奥さんを部屋から連れ出した。
「戸惑うのも無理ない。ガキだったころに別れて、こんなにデカくなって再会したんだ。時間が解決してくれるってハチが言っていた」
「こげぇ大きくなってたまげだ。でもな、ばあ様も言ってたが遠くからでも青空だってすぐに分かっからいい」
髑髏の入れ墨を興味深く眺める寺嶋さん。
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