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番外編 おかえり
「照れることはないだろ?未来もありがとうな」
「みく?」
「晴の弟だ。人見知りでかくれんぼうが得意だ。慣れればどうってことないんだが、慣れるまでが大変だ」
「そうか。みくくん、青空のじいちゃんだ。これから宜しくな」
どこに隠れているか分からなくて。寺嶋さんがあたりをキョロキョロと見ながら声をかけた。
「隠れるのが上手いな」
「だろ?」
青空さんが愉しげにくくくと笑い出した。
「帰る前に茨木さんたちと話しをしてきたらどうだ?」
「そうだな。でも……」
心配ごとでもあるのかそこで言葉を濁す寺嶋さん。
「じいちゃんとみつ子さんを置いていなくなるなんてもうしない。案ずるな、もうどこにもいかない。そんなに心配なら指切りげんまんでもするか?」
「はれもしたい!」
晴くんが右手をすっとあげた。
「みく、そらおにいちゃんのおじいちゃんのてすごくおっくてね、ゴツゴツかたくてね、ポカポカあたたかったんだよ」
「へぇ~~そうなんだ」
「かくれんぼうさんしてないででてくればよかったのに」
「だって、はずかしいもん」
「にいに、それ」
「それ?」
未来くんにポケットを指差され、膨らんでいることにはじめて気付いた晴くん。なんか入ってるよ、なんだろうね。そんなことを言いながら手を入れた。
「そらおにいちゃん、たいへん」
ポケットから出てきたのは千円札が四枚だった。慌ててねじ込んだのかしわくちゃになっていた。
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