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番外編 おかえり

信孝さんは包み隠さずナオさんにすべてを話した。ナオさんは額田さんがDNAバンクに登録していたことを知っていた。 「信孝さん誤解しないで。僕も知ったのは一時間前だよ。みずほさんからダイレクトメールが来ていたのに全然気付かなくて」 「それ、見せてもらっていいか?」 「うん、構わないよ」 ナオさんが携帯をバックから取り出すと信孝さんに渡した。一読すると、 「オヤジのところに行ってくる。ナオ、携帯を借りるよ。晴と未来は一太たちと一緒にいるから心配するな。夕ご飯まだだろ?台所にあるから食べて来い。疲れているんだ、ゆっくりしたらいい」 「ありがとう信孝さん。でも僕より疲れているのは亜優さんだから」 「そうか」 信孝さんがクスリと笑った。 「玲士がいなくて寂しいだろう。あ、でも紗智たちがいるから大丈夫か」 そんなことをぶつぶつ言いながら彼のところに向かった。 台所に行くと亜優さんが先に来てて、橘さんが味噌汁を温めてご飯を茶碗によそってくれていた。 「心中穏やかではないはずです」 橘さんにそう言われ、ナオさんは箸を持ったまましばらく考え込んでいた。 「身代わりにされてなんで僕がって……名前も顔も本当にいるかどうか分からない七番目の子どもの存在をずっと憎んでいたし恨んでいた。でも、信孝さんと翔さんに助けられて、信孝さんと家族になって晴と未来を授かることが出来た。未知と卯月さんにも出会えた。青空さんが本当にもしそうなら僕は……」 そこで言葉を一旦止めると、やや間を置いてから、 「翔さんとみずほさん以外の福光の人たちはみんな自分勝手で嘘つきで僕をいじめるから嫌い。でも青空が弟なら嬉しい……かも」 目に涙を浮かべながら心の内を話してくれた。

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