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番外編 おかえり

「翔さんにちゃんと伝えたほうがいいって僕はそう思う。未知はどう思う?」 「自分だけが知らないなんて嫌だから結果はどうであれちゃんと説明したほうがいいと思う」 「でもなんかすごいよね。年をとってもいつまでも若々しいから、それがさらに男の色気に磨きをかけているから若い子にモテる。遼禅さんもそうだし、福光さんもそうでしょう。子どもが出来たから三十代の秘書と結婚するとかしないとかトラブルになっているんでしょう?いいよねぇ、後先考えず。あれだけ礼さんの生前贈与を巡って揉めに揉めたのに。福光さんも遼禅さんと同じで喉元過ぎれば熱さを忘れるのかな?なんかね、子どもには罪がないのに。産まれてくる子どもがかわいそうだって思った。ごめん、変なことを言って。独り言だと思ってスルーして」 光希さんが言っていることは一理ある。骨肉の争いほど悲しくて醜いものはないもの。 「光希さんにばかり苦労を掛けさせてごめんなさい」 「俺は何もしていないから謝ることはない。一緒に暮らしていないとはいえ息子二人がすぐ近くにいるんだもの。スープが冷めない距離にね。遼禅さんは幸せ者だよ。本人がそれにいつ気付くか、だけど」

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