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番外編 おかえり
「ヤスさんとコウジさんが警察官の相手をしている隙に本線に戻り、ちょうど福島トンネルを出たところだ。もう少しで高速を下りる」
「え?コウジ?」
光希さんも驚いていた。
「どうりで姿が見えない訳だ。心配するから一言くらい言って欲しいのに。水臭いんだから」
「引き留められるとでも思ったんじゃないですか?」
「たまには遊んで息抜きしないと、息が詰まってしまう。だから俺は引き留めたりはしない。でも一つだけ約束をしている。黙って出掛けないで行き先だけは教えるようにって」
コウジさんは馬鹿が3つ付くくらい真面目で忠義の塊みたいなもんだとりょうお兄ちゃんが褒めていた。
「また公安ですか?」
一抹の不安が脳裏をよぎった。
「恐らくね。青空はもう黒竜のメンバーじゃないから、つきまとっていても何の情報も得られないのにね。もしかしたら寺嶋さん夫婦に危害を加えないとも限らないから遥琉がコウジとヤスを向かわせたのかも知れない。遥琉の嫌な予感は的中率が高いから」
「やっぱりおかしいです。千夏さんのときはあれだけ大々的に報道されたのに、青空さんのことはどこも報道していない」
「つまり寺嶋空が生きていては非常に困る人間がいる。ということだよ。このまま死んだことになっていたほうが都合が良かったのに。遼さんと遥琉になんで余計なことをするんだ。部外者は首を突っ込むな。引っ込んでろって今まさに怒っている人間がいる。それが誰だか分からないけど……」
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