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番外編 おかえり
それから二時間後。寝返りすら出来ない窮屈さに目を覚ました彼。
「どうりで暑苦しい訳だ」
やっとの思いで体を起こすと、はぁ~~とため息をつきながら前髪を搔きあげた。
「遥琉は相変わらずモテモテですね。六畳一間にだいの大人が四人。みんな遥琉にしがみついて雑魚寝をしていた昔を思い出します」
「縣兄弟と橘兄妹の喧嘩の原因はだいたい俺だったな。裕貴と蒼生もしょうもないことでよく喧嘩をしていたっけな」
襖越しに言葉を交わす彼と橘さん。
「良かった。ヤスがいる。コウジも帰って来たんだろ?」
「えぇ。さっきまで播本さんたちに質問攻めにされていました」
「そうか」
信孝さんにヤスさんに鞠家さんに久弥さん。彼を慕うかわいい舎弟たちがすやすやと穏やかな寝息を立てて寝ていた。
「橘、未知は大丈夫か?一人でなんでも頑張ろうとするから心配なんだ。陽葵は一回起きるとなかなか寝ないし、寝せようとすると泣き出す。陽葵がやっと寝たと思ったら今度は太惺と心望の夜泣きがはじまるからすぐにでも未知のところに行きたいがこの状況だしな」
「光希さんとナオさんがいますから心配無用ですよ。遥琉こそ身動きが取れないのでしょう?たまにはいいんじゃないんですか」
「たまにはっていっつもだろう。でもまさか久弥まで一緒に俺と寝たいと言い出すとは思わなかったがな」
「みんなオヤジが大好きなんですから仕方がないですよ」
橘さんがくすくすと笑い出した。
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