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番外編 おかえり
翌朝四時前から竹刀を一心不乱に振るうお祖父ちゃん。
「おはよう。ずいぶんとまぁ早起きだな」
「茨木さんおはようございます。朝早くからすみません。卯月さんにどうしても用事があって」
朝一番で訪ねてきたのは吉村さんだった。
「そうか。お前さんも遥琉に用事があるのか?」
お祖父ちゃんの言葉に驚いて振り返ると、仏頂面で吉崎さんが立っていたから心臓が止まるんじゃないか、そのくらい驚いたと思う。
「初めまして弁護士の吉村と申します」
「吉崎だ。信孝の下で働いている」
「だからですか、どこかでお会いしたような気がしたのは」
二人が挨拶しながらそんな会話をしていたら、
「吉村、彼は福光の長男坊だ」
お祖父ちゃんがぼそりと呟いた。それに対し吉崎さんは、
「元長男だ。今はもう縁を切り他人だ」
つかさずぶっきらぼうな言い方でそう答えた。
「ついでに言うと光希の義理の弟だ」
「義理の弟?え?そうなんですか?」
お祖父ちゃんから予想もしていなかったことを伝えられ吉村さんの声が裏返った。
「そんなに驚くことでもあるまい。面白い男だな」
吉村さんの反応が面白くてくすりと笑う吉崎さん。
「兄がお世話になってます」
「いいえ、私のほうこそ。吉崎さんも卯月さんに用があるんですか?」
「この際だ。白黒をはっきりとつけたいと思ってな」
「もしかして青空さんのことですか?」
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