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番外編 おかえり

「その写真僕の携帯に送ってもらっていいですか?橘さんと光希さんにも見せたいんですが……」 「いいですよ」 鞠家さんがすぐに携帯に写真を送信してくれた。 「綺麗な人ですね」 「そうですか?」 鞠家さんが怪訝そうに首を傾げた。 「ねえさん聞くだけ無駄です。カシラは仕事が恋人で、紗智とねえさん以外興味なしです」 ヤスさんがぶっきらぼうな言い方をした。 「ヤス、そういうお前だって」 買い言葉に売り言葉に端を発した口喧嘩がまたはじまりそうなった。喧嘩するほど二人は仲がいいのに。 「あ、あの~~鞠家さん、ヤスさん。蜂谷さんにも聞いてみますからお願いですから口喧嘩はしないで下さいね。仲良くしてくださいね」 「おぃ鞠家、ヤス。返事は?」 お祖父ちゃんの鋭い声が飛んできた。反射的に「は、はい!」背筋をぴんと伸ばし直立不動になって答える二人。 「鞠家、ヤス、ハチ。お前らは若い衆の憧れの的だ。しっかりと手本を見せてやれ」 え!?蜂谷さん?お祖父ちゃんの口から名前が出てきたらどきって振り返ると本当にいたからびっくりした。 「菱沼組だけだろう?ここ三年部屋住みの若いのが誰も逃げ出さず、一人も辞めずにいるのは。ヤクザになったものの掃除に電話番に兄貴たちの雑用ばかり押し付けられて。二か月も持てばいいほうだからな。鞠家、ヤス、ハチ。これからも頼むぞ。お前らには期待している」 まさかお祖父ちゃんからじきじきに誉め言葉をもらえるとは思っていなかった三人。嬉しくて感動していた。

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