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番外編 おかえり
渋川さんにすぐに電話を掛けた彼。朝っぱらから悪いな、寝ていたか?と聞くと、いいえ、今起きました。兄貴の声を朝から聞けるなんて。俺ってなんて果報者なんだ。兄貴の声がずっと聞きたかったんですよ。弾んだ声が返ってきた。
刺青は蛇じゃなくて蝮だった。
彼に話したいことが山ほどあったみたいで渋川さんはなかなか電話を切ろうとしなかった。
「はたから見たら久し振りに電話で話す恋人同士みたいだな。ある意味佐治がいなくて良かったのかもな」
これには鞠家さんたちが苦笑いを浮かべていた。
当然おもしろくない信孝さんはぶすっとしていたけど、そのうち晴くんと未来くんが、パパおはよーって起きてきたからいつまでもぶすくれている訳にもいかず。朝ごはんを食べようと二人を居間に連れていった。
彼から、青空さんはもしかしたら弟かも知れないと切り出された吉崎さんは、
「やっぱりそうですか」
さほど驚く素振りを見せずそう短く答えた。
「今後一切俺とナオには会わないと約束したはずなのに、なんでみずほがわざわざ福島に来たのか。本当の目的は青空に会うことだったのかも知れない。みずほも俺と同じで白黒をはっきりつけたかったのかも知れない」
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