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番外編 おかえり

「ママは?」 「あっち」 玄関のほうを指差す真くん 「ぶんぶんにいちゃん、あそぼ」 蜂谷さんの腕を掴みピョンピョンと跳び跳ねる真くん。双子だから晴くんとそっくりで、たまに間違うって蜂谷さん。僕もほとんど真くんに会っていないからどっちがどっちだが分からなくなる。 「朝から元気だな。なにして遊ぶ?ただし寝ている子がいるから静かにな」 「うん、わかった」 真くんはいまいち元気がなかった。 「はれくんばっかずるい。しんもおとまりしたかった」 「それで元気がないのか。自分だけ仲間外れにされたと思うわな。そういえば来週の土曜日泊まりに来ていいってパパが言ってたぞ」 「え?ほんとに?うそじゃない?」 「俺が嘘ついたことあるか?~ 「ない」間一髪入れず即答する真くん。 「晴と未来も泊まりに来るように晴のパパたちに言っておくから」 「やったー!ありがとーぶんぶんにいちゃん」 「真、そのぶんぶんにいちゃんって呼び方だけど」 「分かりやすくていいだろう。真にとってはちやって呼びにくいのかもな」 柚原さんがクスクスと笑った。 「あれ晴くん?なんでここにいるの?」 山のような洗濯物を抱えた紗智さんがふと立ち止まり、不思議そうに首を傾げた。 「紗智、晴じゃなくて真だ」 「そっか。全然分からなかった。ごめんね、間違って」 「おにいちゃん、さっちゃんだよね?」 「そうだよ。よく分かったね」 「うん」照れて真っ赤になる真くん。恥ずかしそうにモジモジしていた。 「しんねぶんぶんにいちゃんとあそぶんだ。はれくんがおっきしたらおしえて」 「うん、分かった」 真くんが蜂谷さんの手を握るとそのまま引っ張っていった。

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