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番外編 おかえり

「あれ?森崎がいる。なんだみんな揃っていたのか」 「国井お帰り」 「待ってたぞ」 缶ビールを掲げる鞠家さんたち。 ちょうど酒盛りがはじまったときに国井さんから彼の携帯に、そっちに帰ると連絡が入った。 「遅いから心配したぞ」 「事故で高速が通行止めになってて、下に下りたら今度は四号線が混んでてさ。時間がかかっていやぁ~~参ったよ」 熱烈な歓迎を受けた国井さんは顔を嬉しそうに綻ばせた。 「あれ、チカは?一緒じゃないのか?」 「喧嘩でもしたか」 「喧嘩はしていないし、これから来る」 「ん?来る?」 鞠家さんが首を傾げた。 「明日非番なんだ。俺もチカも。アポ無しで未知に会いに来たら未知がどんな反応をするか、それを見たくて黙ってろとチカには言われたんだが。ここだけの話しにしてくれ。内緒にしてくれ」 両手を合わせる国井さん。 「飯は?食ってきたのか?」 彼が聞くと、途中にあったコンビニエンスストアでパンと飲み物を購入してそれを食べながら来たと国井さんが答えた。 「それじゃあ、すぐに腹が減るだろう。誰か、飯を運んできてやれ」 「食べに来たみたいで悪いな」 「悪くねぇよ。一太と奏音がカレ―を作ったんだ。旨いぞ」 「いい時に来て良かった」 小さくガッツポーズして心から喜んでいた。

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