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番外編 おかえり
「明日も学校だろ?一緒に寝るぞ」
「国井さん、チカちゃんは?」
「チカは明日来る。俺もチカも休みだから一回泊まって明後日の土曜日の夜に帰る」
「じゃあさ、明日僕たちが学校から帰ってきたら遊べる?」
「帰んないよね?」
「やだよ。帰ってきたらいなかったって。泣くからね。ほんとに帰らないよね?」
矢継ぎ早に質問責めにされてさすがの国井さんもタジタジになっていた。
「分かったからまずは落ち着こうか?部屋に戻ろう。説明はそれからだ」
国井さんが一太たちを連れて部屋に戻った。
寺嶋さんが甲崎さんと国井さんのために旅館を手配してくれた。真っ先に子どもたちの顔が浮かんだ国井さん。寺嶋さんに事情を話して、甲崎さんに兄弟水入らずの時間を過ごしてくれと頼み込んだ。
「ここがカミさんの実家も同然だと話したら寺嶋さん夫婦が驚いていたよ。世間は広いようで狭いってな。卯月だけじゃなく、度会さんと紫さんにもお帰りって言ってもらえたのがすごく嬉しかったんだ」
「会長と紫さんにとって舎弟も国井も全員息子だからな。でもいいのか?ここに出入りしているだけでも白い目で見られるだろうに」
「別にやましいことはなにもしていない。それにもう覚悟は決めている」
国井さんの決意は固かった。
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