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番外編 おかえり

「何があっても守る、そう誓っただろ?」 うん、うんと何度も頷くナオさん。 「結局礼は何をしたかったんだ?まさかナオを連れて帰るとかとんでもないことを言い出したとか」 「頭がおかしいとしか思わない。ナオは俺の大事な伴侶で、子どもたちにとっても大事な父親だ。鞠家さんがクスリでもやってるんじゃないか、そんなことを話していた」 普段めったなことでは怒らない信孝さん。こんなにも怒りの感情を表に出す事はない。よほど腹に据えかねている。礼さんと対峙していたときに鞠家さんと翔さんがいてくれて良かった。そんなことを話していた。 「三分経過。はい、はい、交代」 「ちょ、ちょっと翔さん」 戸惑うナオさんの腕を引っ張り、そっと肩を抱き寄せる吉崎さん。ブスッと不貞腐れた顔をして、 「ナオはお前だけのもんじゃない。俺の大事な唯一無二の弟だ」 信孝さんを睨み付けた。 「何を言い出すかと思ったら……あのな翔、なんでそこで焼きもちを妬くかな」 やれやれとため息をつく信孝さん。 「信孝には卯月さんがいるだろ。俺もあとで卯月さんにハグしてもらう予定だから今のうち貸してやる」 「言ってることがめちゃくちゃだな 「そうか?」 二人のとんちんかんなやり取りに呆気にとられていたら、 「卯月、お前さんは相変わらず愛されているな。まわりにいる男たちは全員お前さんに惚れてる。カミさんが未知で良かったな。普通なら修羅場だぞ」 「未知が理解あるねえさんで良かったな」 一部始終見ていたお祖父ちゃんとお義父さんがゲラゲラと笑い出した。 「お前さんたちは似た者同士だな。本当の兄弟みたいに仲がいい。見てて羨ましいよ」 「そうですか?」 信孝さんと吉崎さんが顔を合わせるとバツが悪そうにニヤリと笑った。

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