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番外編 おかえり

人質にとられている二十代の男性って十五年前に失踪して死亡とされていた当時五歳の男の子なんだよね?数日前に身元が判明し、十五年ぶりに家に帰れた、そのタイミングを狙うなんて。タイミングがよくない?父親はなにしてんの?ネットではさまざまな声が飛び交っていた。 一時は意識不明の重体だった乙幡さんが一命を取りとめたと国井さんに連絡が入ったのはお昼過ぎのことだった。 「そろそろ動きがあるかもな」 携帯の画面を眺めていた国井さんがボソリと呟いた。 「未知、せっかくのご飯が冷めちゃうわよ」 国井さんとチカちゃんに、国道沿いにあるファミリーレストランに連れていってもらった。 子どもたちは留守番。せっかくのデートなのに邪魔じゃないかとチカちゃんに聞いたら、七海さんと光希さんとナオさんも一緒だから大丈夫。邪魔じゃないわよって返ってきた。 「遥琉がいるから心配ないよ」 「信孝と翔につかまって相変わらず大変だね」 「天性の人たらしだからね、遥琉は」 「本人にその自覚がないから、それがまた人を引き寄せるのかもね」 このメンバ―で集まることなんてもう二度とないかも知れない。だからみんなと話して嬉しかった。

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