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番外編 おかえり
「青空は幸せか?」
「あぁ。毎日、毎日、ねえさんに両手に抱えきれんくらいの幸せをもらっている。俺はねえさんが大好きだ」
「そうか、青空も未知が好きなのか」
「オヤジはモテモテだからな。ライバルが多いだろ?だから勝てぬ戦は最初からしないんだ。旨い。やっぱりこれだよな」
「よく噛んでゆっくり食べろ。むせるぞ」
ご飯をがっつく青空さんに苦笑いを浮かべる甲崎さん。
「なぁ、国井。千夏さんと小夏さんと、青空、何が違うんだ?三人ともチャイニーズマフィアの拉致被害者なのにな」
「見た目で判断されたんじゃないか?美人には弱いだろ?同情だって集まりやすいだろし、いろんな意味で利用出来るだろう?そういえば警備を担当する刑事が小夏さんが我儘放題で振り回されて大変みたいだぞ」
「若い既婚者の男性刑事に色目を使い誘惑して関係を持ってそれが表沙汰になり問題になったばかりだろう?」
「学校にも行かず、施設を抜け出しては遊んでばかりいる。言葉が通じないのは分かる。でもな、青空だって最初は日本語が全然分からなかったんだろ?日本語を一生懸命勉強して読み書き出来るようになった」
「なんせ先生がいいからな。一太と奏音と一緒に勉強するのはなかなか楽しいぞ。飯ををもらってくる」
青空さんがご飯茶碗を持って立ち上がろうとしたら、
「俺、行く」
譲治さんが駆け寄ってきた。
「お帰りなさい」
「おぅ、ただいま。あとで土産をやる」
「うん、ありがとう」
目が合い自然と笑みが溢れる二人。何か通じるものがあるみたいで二人はとても仲がよくなった。
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