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番外編 おかえり
鼻唄を歌いながら仏間へと真っ直ぐに向かった譲治さん。
「譲治さん、青空さんに何をもらったの?」
「これとこれとあれとあれ」
ポケットから取り出したのはお守りとぶっきり飴の袋だった。譲治さんが望実さんの遺影の写真を指差した。見るとお菓子と桃のジュースが添えられてあった。
「良かったね」
「良かった。寂しかった。無事だった。帰ってきたから……嬉しい」
譲治さんがまるで子どものようににこにこと笑っていた。
「未知さん、一つ質問をしていいですか?」
「いいですよ」
「コウジさんは達治と付き合っているんですか?」
「へ?」
まさか直球の質問を投げ掛けられるとはこれっぽっちも思ってもみなくて。一瞬固まってしまった。
「さぁ~~どうだろう。こればかりは当人同士の問題だし……」
言葉に詰まってしまった。
「達治を宜しく、幸せにしてやって、帰る前に言わないと駄目かなって。ふと思った」
「譲治さんの弟を思う優しさ、きっとコウジさんに伝わります。光希さんに頼んでおいたらどうですか?」
「そうだね。光希さんがいた。でも俺、喋れるかな。光希さん、緊張するんだよね」
「大丈夫。光希さんは優しい人です。保健の先生だったんだもの」
「え?そうなの?」
譲治さんが驚いたように目をぱちぱちしていた。
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