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番外編 おかえり

「尖っていたのが丸くなったって茨木さんが話していた。目がすごく優しくなったよね」 「そうか?気のせいじゃないのか?」 「気のせいじゃないよ。尊さんも青空に会ったらきっと驚くよ。惚れ直すよ」 「そうか?照れるな」 照れ隠しなのか指で髪をクシャクシャと掻きあげる青空さん。 尊さんに会ったらお帰りなさい、お兄ちゃんって今なら言えるような気がする。 「ハルくん、大変!青空が未知を口説いているよ~~!」 チカちゃんがぶんぶんと手を振った。 「チカ、あとで顔を貸せ」 青空さんの眉間にどんどん皺が寄っていった。 「やだもう怖い~~!青空、スマイルよ~~!」 「誰だ喧嘩を売っているのは」 「やあねぇ~~誰も喧嘩なんて売ってないわよ」 チカちゃんが青空さんの背中を叩いた。 「チカさん、お酒ではないからと油断してはいけませんよ。ノンアルコールビールを飲み過ぎると病気になるリスクが高まると聞きましたよ」 「アタシそんなに飲んでないもん」 「四十才も年上の度会さんと茨木さんと対等に楽しくお酒が飲める機会なんてそうそうないですからね」 「でしょう。さすがは橘。話しが分かる」 「でもねチカさん、国井さん以外の方とさしで飲みときは十分に気を付けてくださいよ。国井さんに悲しい思いをさせてはいけませんよ」 「またはじまった。橘のおっせかい」 「私にも喧嘩を売ってますか?」 「売ってないわよ。心配してもらえてすごく幸せなの」 ほろ酔い気分のチカちゃんはすこぶる上機嫌だった。

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