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番外編 おかえり

ごめんなさい。忘れていた訳じゃないの。てっきり広間に」戻ったものだと思っていたから。 「忘れてねぇよ」 彼がクスッと笑った。 「オヤジとねえさんが仲がいいことはいいことです。俺まで嬉しいです」 「佐治、なんか日本語変じゃねぇか?」 「そうですか?気のせいですよ」 いまいち噛み合わない会話をしながら広間へと戻る彼と佐治さんの姿が見えなくなるまで見送った。 「国井さんは子どもたちに大人気ですね」 「だからこそ酔うわけにはいかない。遊ぶときは本気で。とことん遊ぶ。これが俺のモットーだ」 寝たら国井さんとチカちゃんが帰る日になるから寝たくない、絶対に寝ない、と駄々をこねる子どもたちを一人でてんやわんやしながら宥めていたら国井さんが助っ人にきてくれた。 「未知あとは俺に任せて横になれ。寝かし付けくらい出来る」 「楽しくお酒を飲んでいたのにごめんなさい」 「謝るな。ほら、みんな三十分おもいっきり遊んだら布団の中に入れよ。こわ~~い鬼さんともっと怖~~いお化けが来るぞ」 きゃあ~~怖い!と子どもたちが怖がるものだと思っていた国井さん。 「あのね国井さん、パパのほうがつよいよ」 「そうだよ。おになんてりゅうパパがやっつけてくれるよ」 「あ、そうだった。二人パパは最強だったな」 「でもままたんのほうがパパよりつよいよ」 遥香が声をあげた。

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