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番外編 おかえり

「根岸さんは中型免許を持っているから、マイクロバスをレンタルして子どもたちと一緒に行動している」 「ということは伊澤さんはバスガイドか」 「呼んだか?」 ふらりと伊澤さんが姿を見せたものだからヤスさんと佐治さんが驚いた。 「孫との水入らずに、俺みたいなのが水を差すわけにはいかないだろ?子どもたちと遊んで留守番をして待っているから楽しんでこいと言ったんだ」 縁側に腰を下ろすとキャキャと歓声をあげて譲治さんと水遊びをする太惺と心望を目を細めて眺めた。 「ヤスさんと佐治さんがいるから安心して東京に行ける。子どもたちの笑顔をどうか守ってやってくれ」 「そんな寂しいことを言わないでくださいよ」 「そうですよ伊澤さん。お二人にはまだまだ教えてもらいたいことが山ほどあります」 「俺みたいなのがでしゃばる訳にはいかないだろう」 「伊澤さんみたいに後輩に慕われて、面倒見がよくて人望がある人こそ必要なんですよ」 「刑事を辞めたあとでも甲崎やチカや国井におやっさんって呼ばれて羨ましいです」 「止せや、照れるだろう」 くしゃくしゃと頭を掻く伊澤さん。 「じぃ――!」 伊澤さんに気付いた太惺と心望がぶんぶんと手を大きく振った。 ヤスさんたち若い人たちもお祖父ちゃんと同年代の人も二人にとってみんな、じぃ――だ。

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