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番外編 おかえり

青空の母親がもし生きているなら、空が生きている、それを最初に伝えてやりたいんだ。そう甲崎さんが話していた。 「カシラ、兄ちゃん、みんな集まってますよ。カシラはどこにいるってオヤジが騒いでましたよ」 玲士さんが二人を呼びに来た。 「マジか。甲崎、急ぐぞ」 「おぅ」 急ぎ足で広間へ向かった。 「兄ちゃんにまさか弟が鞠家の弟になる日が来るとは思わなかったって言われたんです。俺もですよ。まさかまさかですよ」 「人の縁って本当に不思議ですよね」 「はい、まさにその通りです。亜優が大好きなねえさんとも出会えましたし、一日でも早く一人前になってオヤジとカシラの役に立てるように頑張ります」 「遥琉さんの息子になるプレッシャーは想像できないくらい相当なものだと思います。ですからあまり気負わずに。肩を力を抜いて、玲士さんなりのペースで大丈夫ですよ」 「ねえさんって本当に優しいですよね。光希さんも七海さんもみんな優しくて、褒めて伸ばすだから、守りたい、どこまでもついていきたいと思うんです」 ここに来たときとは比べ物にならないくらい玲士さんの表情はキリリとして引き締まっていた。でも亜優さんのことになると、好可爱《ハオ クァ アイ》とても可愛いを連呼してデレデレになるからそのギャップがまた玲士さんらしくて面白い。亜優さんしか眼中にない。とにかくもう大好き。

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