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番外編 ありがとうな、
携帯電話の動画を見ているうちあることに気づいた。
「今日も遥琉は相変わらず格好いいって顔に書いてあるよ」
七海さんにクスクスと笑われた。恥ずかしくて真っ赤になりながら、
「違います。遥琉さんの顔を見ていた訳じゃないんです」
あわててそう答えた。
「へぇ~~そうなの?未知が自分以外の男の顔を見ていたなんて知ったらショックで当分立ち直れないよね」
「僕は遥琉さん以外の男の人には興味がありませんし、惹かれることもありません。あ、でも家族と菱沼組のみんなは別です」
「結婚して四年だっけ?何年経っても新婚さんみたいで。仲がいいよね。本当に羨ましい。久し振りに未知の惚気ている姿を見れたからいつでも覚さんのところに帰れる」
「七海さんがいなくなったら寂しくなります。でも鷲崎さんだって七海さんが隣にいなくて寂しい想いをしているだろうし、七海さんが帰ると決めたなら引き留めたりせず、笑顔でいってらっしゃいをします」
「ありがとう未知。さっきの話しに戻すけど、遥琉以外で誰を見ていたの?」
「青空さんです。いつもタンクトップ姿だから、なんだかス―ツ姿が見慣れてなくて、青空さんなんだけど青空さんじゃないような気がして……本当に失礼ですよね、こんなことを言って」
動画に写る青空さんの顔を横目でチラッと見た。
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