3674 / 4016
番外編ありがとうな、
「さっきから顔を真っ赤にしてずっといるだろ?」
ようやく七海さんの存在に気付くあおお兄ちゃん。
「ゴメン七海。まさかいるとは思わなかったから。まったく気づかなかった」
「大丈夫。蒼生さんも未知しか眼中にないの、すごく分かってるから」
「そうか。分かっているならいい。七海、誰を呼んだんだ?」
七海さんが携帯を片手で操作していたのを見逃すあおお兄ちゃんではない。
「森崎か?」
「違う。筋肉自慢したいなら相手が必要でしょう。俺も未知もここで脱ぐ訳にはいかないから。久しぶりに妹に会えてすごく嬉しいのは分かるけど、未知は恥ずかしがり屋なんだよ」
あおお兄ちゃんと七海さんがそんな会話をしている間、そっと背中を見た。それから背伸びをしてつま先立ちになり、肩のあたりと腕のつけねの部分に黒子があるか、痣があるかを確認した。
日焼けしていないきれいな肌だった。
あおお兄ちゃんで間違いない。疑ってごめんなさい。正直に謝ろうとしたら、
「俺は忙しいんだぞ」
と言いながらヤスさんと佐治さんが、少し遅れて信孝さんが姿を見せた。
「久し振りだな、蒼生」
ともだちにシェアしよう!

