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番外編ありがとうな、
手を合わせて「我要开饭了《ウォ イャォ カイ ファン ラ》」(いただきます)を言うとどんぶりに山盛りにされたご飯をものすごい勢いで食べはじめた。
「そんなに急いで食べたらむせるから、ゆっくり食べたら?誰も覃のご飯を取らないから」
「昨日の昼からなにも食べていない」
「昨日の昼からって丸一日何も食べてないの?」
「探し物をしに地下に潜っていた」
意味が分からず首をかしげた七海さんを笑いながら見る覃さん。
「あまり深く考えない方がいいぞ」
「覃さんは宋さんと一緒だったんですか?」
七海さんが座っている隣の椅子に腰を下ろした。
「最近は訳あって別行動だ。最近公安の監視が厳しくてな。公安の捜査員がどこに潜り込んでいるかまったく分からないから、思うように動けない。抜き足差し足、隠れ蓑、まさにニンジャの気分だ」
「大変だったんですね。覃さんからの連絡が途絶えて、譲治さん心配していましたよ。ご飯を食べたら会いに行って下さい」
「任せろ。再来一个《ザイ ライ イー グ》」
(おかわりください)
空になったどんぶりを得意気に見せる覃さん。
「青空とまったく同じ行動をしている。双子みたいだね」
七海さんがクスクスと笑い出した。
「青空と双子か。嬉しいような、嬉しくないような。なんか微妙だな」
覃さんが苦笑いを浮かべながら小声で呟いていた。
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