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番外編ありがとうな、

「九鬼総業の元組員が面白いものを持っていたそうですよ」 組員山梨を今回、絶縁処分にした、今後、この者と商談するな、交際するな、拾うなと書かれた回状のコピーをテ―ブルの上に置く橘さん。 「いとさんの元交際相手の名前も山梨です。偶然にしては出来すぎているとは思いませんか?」 「写真はないのか?」 「ありません。この回状自体本物なのか偽物なのかも分かりません」 「森崎は何て?」 「山梨という名字が珍しいですから記憶に残るはずだと」 「まずはこれが本物なのか偽物なのかだな。仮に本物だとしても偽名を使っているかも知れないからな。調べてみる」 あおお兄ちゃんは同業者に顔がきく。 「俺も心当たりをいろいろ聞いてる」 覃さんは裏社会の事情通だ。 「宜しくお願いしますね」 ニッコリと微笑む橘さんを見た覃さんが、 「いま、分かった」 ボソリと呟いた。 「ボスがな、橘は猛獣珍獣の類いを手の上で転がし、手懐けるウサギだ、そう言っていた意味がな」 「それ、私でなく未知さんのほうが適任者では?」 「ほぉ~~珍しいな、怒らないぞ」 「いちいち怒るのに疲れただけです」 橘さんが苦笑いを浮かべて答えた。 「千里はこの事を知っているのか?」 「遥琉から伝えてもらいました」 「そうか、それなら良かった」 胸を撫で下ろすあおお兄ちゃん。

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