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番外編ありがとうな、
「カドタさんはここの警備が手薄になるのを待っているかもしれません。遥琉さんも鞠家さんもいない。そのうえ柚原さんまでいなとなると……」
「好機到来ですものね。でも度会さんとヤスさんと覃さんはいますよ」
「そう、俺いる。未知と子どもたちに何かあったらただじゃおかない。うちのボス、未知のことになると怖い」
覃さんがふらりと庭に現れて。腕を前で組み茜色に染まる空を険しい表情で見上げた。
「黒竜には法律が通用しない。連中は軍事用のドローンを数機保有している。偵察、情報収集が主な目的だが、自爆攻撃にも使われる。俺らが気付かないだけでひそかに連中に監視されているかも知れない」
「怖い世の中になりましたね。おちおち外も歩けませんね」
「だからこそシェドを潰さねばならぬ。悪の根源を断ち切らねばならぬ」
「たとえ彼を葬ったとしても第二、第三のシェドが現れますよ」
「確かにそうだな。代わりはいくらでもいる。なんとか飴みたいにきりがないな。でも何もしないよりはマシだ」
覃さんが懐に手をそっと忍ばせた。
「これはなるべくなら使いたくない。でもマイハニ―と未知と子どもたちを守るためなら已む無し」
「柚原さんも同じことを言ってましたよ」
「人を愛するっていいな。守る人がいるから強くなれる」
「そうですね。強くなれますよね」
「ちょっと待て。それ以上強くなったら困るぞ。ただえさえ怖いのに」
「何か言いましたか?」
「いや、なんでもない。独り言だ」
覃さんが慌てて首を横に振った。
「誰が置いたか、いつからそこにあるのか誰も知りませんが、手乗りサイズの地蔵菩薩が白雪美容室のドアの前に置いてあったそうですよ。手を合わせて、 慈愛にみちた優しい顔つきをしていた。でもどこか寂しそうだったと地蔵菩薩を見つけたら久弥さんが話していました」
橘さんとそんな会話をしていたら、メ―ルが送信されてきた。
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