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番外編ありがとうな、

「白雪義夫が本当に隠したかったものがまだ美容室にあるとするなら、すべて灰にして葬り去ろうとする者がいる」 それは即ち、あおお兄ちゃんたちの身に危険が迫っているということだ。 「蒼生はそれを承知の上で向かった。玲士にはいつでも逃げれるようにしておけとだけ伝えてもらった。裏切り者は誰かこれではっきりするだろう」 「裏切り者ってもしかして阪井さん?」 声が震える。 「いとさんの同級生を率先して探してくれたり、遥琉さんもいろいろと助けてもらってるのに、なんで」 「未知さん、まだそうだとは決まってませんよ」 橘さんがくすりと笑んだ。 「どの組も一枚岩じゃないってことだ。大なり小なり問題を抱えている」 チラッと覃さんを見る地竜さん。 「どうせ問題児は俺ですよ。とでも言わせたいんだろ?気性が荒いアイツらをまとめんの、本当に大変なんだぞ。頼りのボスはすぐいなくなるし」 ここぞとばかりに不平不満を口にする覃さん。 「宋と覃がいるからうすらかすら出来るんだ。それに関しては感謝してる」 「それに関してはって、あのなボス。久し振りに会った台詞がそれか。なんて薄情なんだ」 とんちんかんな会話をする二人。宋さんと三人でいるときはもっと賑やかなんだろうな。和気あいあいと、まるで本当の兄弟みたいに。
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