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番外編ありがとうな、
「なんで平日なのに一太たちがいるんだ?あ、そうか、夏休みに入ったのか。だからか、俺を呼んだのか。おぃ、橘、最初から未知と二人きりにさせる気なんてこれっぽっちもなかったんだろう。俺を騙したのか?」
橘さんに詰め寄る地竜さん。
「騙される地竜さんが悪いんでしょう、と言いたいところですが、未知さん一人でてんてこ舞いになる前に助っ人が必要だと思いましてね。地竜さんしか頭に浮かぶ人がいなかったんですよ。騙したと言うならこれからは呼びませんよ。今日はもう帰っていいですよ」
「ちょっとそれだけは勘弁してくれ。未知に会えないなんて死活問題だ。橘、悪い。言い過ぎた」
地竜さんも彼と同じでどう頑張っても橘さんには口では勝てない。口喧嘩がはじまったと思ったらたった五秒で終わり、地竜さんが非を認め両手を合わせてすぐに謝っていた。
「子どもたちみんな暑さに負けず、力が有り余ってますからね。よろしくお願いしますね」
「任せておけ。水遊びは得意だ」
隠れる間もなく一太たちにすぐに見付かった地竜さん。子どもたちに手を引っ張られ、庭に広げたビニールプ―ルへと連れていかれた。
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