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番外編ありがとうな、

あとでと言っても、読んでいる暇なんてないですもんね。ねえさん、ひまちゃんをみてますから読んでください。蜂谷さんに陽葵をお願いして、縁側に座り手紙を広げた。 乱筆乱文なのでパソコン印字でお許しください。と一文が添えられてあったいとさんからの手紙は感謝の言葉で溢れていた。 青空さんが昇竜会に助けられさ、その後菱沼組に入った経緯を知り、自分なりに昇竜会と菱沼組を調べたこと、青空さんがそれ以前に何をしていたか知ったときは愕然とし涙しかでなかったこと。今、弾よけしている人が、実は昔命を狙っていた菱沼組の組長の奥様で、菱沼組に入ってまだ一年も経ってもいないのに、大勢の構成員がいるなかで組長の奥様の弾よけに抜擢されたことを知り、奥様の器の大きさと懐の深さに感銘した。日本語に不馴れな空に子どもたちが読み書きを教えてくれていると知り嬉しかった。空を見た目で判断せず家族のように優しく接してくれる奥様と子どもたちにただただ感謝しかない。オンラインで会える便利な世の中になったけれど、一度お会いして、直接お礼を述べたかった。それが叶わないのが悔しい。そう綴られてあった。 僕もいとさんに一度でいいから会いたかった。 ようやく茜色に染まりはじめた西の空をふと見上げた。

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