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番外編ありがとうな、
ボンという音がしたような気がして思わず立ち上がった。
「蜂谷さん、駅前通りのテナントビルでガス爆発みたいです」
若い衆たちが駆け寄ってきた。
「白雪美容室かも知れない。大至急確認しろ」
「はい!」
「それと会長と柚原に連絡しろ!」
「はい!」
一斉にほうぼうに散る若い衆たち。
「狙いは蒼生か?それとも玲士か?」
「玲士はオヤジの婿で甲崎の弟だからな。一粒で二度おいしいから当然狙われる。蒼生を狙ったら昇竜会を敵にまわすことになる。阪井組はあっという間に解散に追い込まれるだろう。阪井さんは舎弟たちを路頭に迷わせるような馬鹿な真似はしない男だとオヤジが言っていた」
「そうか。ということは裏切り者は若頭のほうか」
ボンとさっきよりも大きな音が聞こえてきた。
「今日は駅の方角がやたらと明るいな。ネオンなのか火事なのか分からないな」
青空さんが太惺と心望に虫にちくっと刺されるから家の中に入るぞと声を掛けて二人を連れていってくれた。
「ねえさん最高の癒しタイムでした。また抱っこさせてください」
蜂谷さんから陽葵を渡された。
「さてと俺は何をしたらいい?」
肩を回しながら地竜さんが姿を見せた。
「未知さんと子どもたちをお願いします」
「一番の適役じゃないか。任せておけ」
子どもたちが不安がるから普段と何ら変わらず、気丈に振る舞ってはいるけど、橘さんも気が気じゃないはず。
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