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番外編ありがとうな、

「そういえばなんでいるんだ?鷲崎と喧嘩をして家出をしたのか?」 「喧嘩も家出もしていない。たまには実家に帰省しないとたいくんとここちゃんに顔を忘れられて泣かれるから」 「なるほどな」 「でもそろそろ覚さんのところに帰る。居心地が良すぎて帰りたくなくなるから困るよね。覚さんが待っているのは分かるんだけど」 「毎度大歓迎だもんな」 「そう。組あげて歓迎してくれる。子どもたちもななちゃんって呼んでくれるし。嬉しいんだ」 ププッと地竜さんが思い出し笑いをした。 「いやな、覃がなんで七海おじちゃんじゃなくて、ななちゃんなんだって聞かれたことがあって返答に困ったことがあったんだ」 「四十歳過ぎのオッサンだし、未知みたく可愛げもないのにってでしょう?」 「そうは言っていない」 太惺がトコトコと歩いてきて。七海さんの膝の上にちょこんと腰を下ろした。 「あっぷ、めっ!」 頬っぺをこれでもかと膨らませて地竜さんを睨み付けた。 「怒った顔が卯月にそっくりだ。一丁前に怒って七海を守ろうとしているのか。健気なところはママにそっくりだな」 笑いながら太惺の頭を撫でてくれた。 「日本の法律ではドローンの夜間飛行はどうなってんだ?」 覃さんの声が廊下から聞こえてきて、地竜さんの表情が険しくなった。

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