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番外編ありがとうな、

―頭にガラスが刺さった子どもの緊急オペをおめさんに頼みたいんだ。おめさんにしか出来ない。プロだべ― 「プロかも知れないが、これでも一応内科専門医だ」 ―嘘ごくな。向こうの国やどや街での武勇伝を俺が知らねぇとでも思ってんのか― 「貞治先生は?」 ―他の患者のオペをしている。おめさんが来る頃には子どものオペが出来るようにしておく― 「分かった。いまから行く。しかしなんで夜の八時半過ぎに二歳の子どもが一人で裏通りをうすらかすらしてんだ」 ―俺が知るわけねぇべした。警察が子どもの身元を確認している― 貞治先生は脳外科医だ。他の外科の先生も手が回らない。そんな状態みたいだった。 俺は未知に甘えるために帰ってきたのに。なんでいつもこうなんだ。地竜さんが怨み節を口にしながらも患者が待っているから行くかないだろうと、覃さんを弾よけに伴いそのままの格好で慌ただしく出掛けていった。 「二歳の子どもが一人でですか。心配ですね」 橘さんに声を掛けられた。 「はい。迷子でもないみたいです。もしかしたら駅前の交番を目指していたのかもしれません。美容室から五分とかかりません。そんな訳ないか。二歳の子どもに交番の場所など分かるはずがないですよね」 「でもパトカーとお巡りさんは幼児番組でこんな仕事をしているんだと昨日放送されていましたし分かると思いますよ。飲酒運転が最近多いですからね、助けを求めるために警ら中のお巡りさんを探していたのかもしれませんよ。ガリガリに痩せていて、点滴の針のほうが太くて見るに忍びなかったと斉木さんが話してましたよ」

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