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番外編ありがとうな、

ガバッと抱き付かれ、 「く、苦しい」 七海さんが手足をバタつかせた。 玄関に久弥さんと一緒に向かったはずの森崎さんがすぐに飛んで来て、一太が新聞紙で作った剣の先であおお兄ちゃんの背中をつついた。 「おぃ、森崎!」 あおお兄ちゃんが声を荒げた。 「本部の幹部だろうかなんだろうが俺には関係ない。姐さんに害をなす不逞な輩は俺が許さん」 キッパリと言い切ると剣を構えた。 「お願いだから剣を下ろして」 「姐さんから離れるのがまず先だ」 「分かったよ。なかなかいいツラをしているよな。それにその剣もかっこいいな」 「なんせ先生がいいからな」 「それ、貸してくれ」 あおお兄ちゃんが七海さんから体を離すと、右手を差し出した。 「やだ」 「そう言わず頼むよ。ほら、早く行かないと時間に遅れるぞ」 「そもそも蒼生さんが悪いんだろう」 あおお兄ちゃんに剣を渡す森崎さん。 「兄貴が帰ってきたら作り方を教えてもらおう。凪と碧人と一緒に作ろうっと」 「パパとしての顔を初めて見たかも知れない」 「そうか?」 あおお兄ちゃんがニカッと笑った。 「千里に言い付けますよ。妻の居ぬ間に人の伴侶とイチャイチャしていると」 橘さんがいつの間にか真後ろに立っていたものだからうわぁ~~っと二人して驚いていた。 「橘、そ、それだけは許してくれ」 あおお兄ちゃんの顔からさぁ~~っと血の気が引いた。

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