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番外編ありがとうな、

「もしかしてそれ通話中だったりする?」 割烹着のポケットを指差すあおお兄ちゃん。 「よく気付きましたね。千里でなく、鷲崎さんですけどね」 「えっ?覚さん?」 七海さんの声が裏返った。 「森崎さんを連絡係としてしばらく置いてくれと。でも森崎さんは七海さんの弾よけに命をかけていますからね」 「いやいや俺より久弥を優先しないと」 橘さんがポケットから携帯を取り出した。 「それどこにあったんですか?どこを探してもなくて」 「テレビ台の下に落ちていましたよ。ベタベタしていたのでタオルで拭いておきましたよ」 「ありがとう橘。でもおかしいな。たいくんとここちゃんの手が届かない高いところに置いたのになんで?」 「昨日までは手が届かなかった場所でも今日は届くようになっている。それが子どもの成長です。知恵もどんどんついていますしね」 「これからは気を付けます」 七海さんが軽く頭を下げた。 「七海か?」電話越しから鷲崎さんの声が漏れてきた。 「橘、蒼生さんの相手をお願い。構ってやって」 携帯を大事そうに握り締め七海さんが広間をあとにした。 「構ってやってと言われましてもね」 チラッとあおお兄ちゃんを見る橘さん。

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