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番外編ありがとうな、
「久し振りね、未来くん」
ずっとナオさんの背中に隠れていた未来くんの姿を見つけ怖がらせないように笑顔で駆け寄るみずほさん。
「未来、パパのお姉さんだよ。挨拶しなさい」
恥ずかしいと言いながらぶんぶんと首を横に振る未来くん。
「なんで?恥ずかしいの?」
「だって……」
爪を嚙みながらモジモジする未来くん。
「みく、そのおばちゃんはだいじょうぶなおばちゃんだよ」
「パパのみかただよ」
晴くんと真くんが追い掛けてきた。
「ほんとに、ほんとに、だいじょうぶなの?」
少しだけ顔を覗かせる未来くん。
「そうだよね、ごめんね。私の家族はパパのことをたくさん泣かせてしまったものね。怖い思いもたくさんさせてしまった。信じてなんてくれないものね」
「パパはみくがまもるんだ。みくもねパパのヒーローになるんだ」
「そう。偉いわね」
みずほさんの目から涙が一筋零れ落ちた。
「ねえさん、オヤジが着きました」
玲士さんが駆け寄って来た。
「おい、玲士!」
柚原さんの鋭い声がすかさず飛んできて、直立不動になって「はい」と答える玲士さん。
「それじゃあどこに着いたか分からないだろ?分かるように言え。それと会長と蒼生には言ったか?」
「いえまだです」
「なにやってんだ。そっちが先だろう」
「は、はい!すみませんでした」
腰を九の字に曲げて頭を下げると慌てて走り出した。
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