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番外編ありがとうな、
「お見苦しいところをお見せしてして申し訳ありません。新入りの躾がなっていないとよその組に笑われますから」
軽く頭を下げて立ち去ろうとした柚原さんに、ちょっと待ってとみずほさんが呼び止めた。
「私の勘違いだったらごめんなさい。さっきの方とは初めて会ったはずなのに、どこかでお会いしたような気がして。もともとこちらの方?」
「いえ、出身は東京です」
「あら、そうなの。でもなぜ?縁も所縁もない福島に?」
「玲士は福島と縁も所縁もありますよ。いい加減、その手を離してもらっていいですか?」
柚原さんがにこりと微笑んだ。
「あら、やだ。ごめんなさい」
無意識のうちに柚原さんの服を掴んでいたみずほさん。慌てて手を離した。
「余計なお世話かも知れませんが、聞くところによると貴方の首には賞金が掛けられているそうですね。あまり目立つ行動は控えた方がいいと思いますよ」
「忠告してくれてありがとう。コソコソと隠れて行動をするのがどうも苦手で。頭では分かって分かっているんだけどね。職業病かしらね」
みずほさんが困ったように苦笑いを浮かべた。
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