3717 / 4014
番外編ありがとうな、
彼と弓削さんが帰ってくるなら髪くらい梳かさないと。鏡を見るために洗面所に行ったら、地竜さんがちょうどお風呂からあがってきたところだった。
「地竜さんごめんなさい」
二人に背中を向けて両手で顔を覆った。
「未知に見られるなら本望だ」
「ボスに同感だな」
地竜さんの声に続けて覃さんの声が聞こえてきた。
「あ、ママ~~!」
いるとは思わなかった太惺の声が聞こえてきて。なんでここにいるの?さっき紗智さんたちと遊んでいたはずなのに。思わず振り返ったら、
「あ……」
全裸の二人と目が合ってしまった。
「シャワーを浴びていたらたいくんに見つかったんだ」
「バンバン叩かれて、割れるよりマシだろ。服を脱がせたほうが早い」
「それは分かるんですけど……」
耳まで真っ赤になりながら目のやり場に困り顔を逸らそうとしたとき、何気に右の脇腹に目がいった。
「また傷が増えている」
生々しい傷痕に心がチクりと痛んだ。
「掠り傷だ。たいしたことはない」
「たいしたことあります」
「心配してくれるんだな」
「当たり前です」
太惺の体を拭こうとしたら脱兎のごとく逃げ出した。
「誰か、たいくんを捕まえてください!」
追いかけようとしたら、
「未知、捕まえた」
下着すらまだ身に付けていない地竜さんに後ろから抱き締められた。
ともだちにシェアしよう!

